文献抄録
取り外し可能なシリコン球による腎動脈栓塞術
pp.464
発行日 1983年5月20日
Published Date 1983/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203580
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腎動脈の栓塞には従来血塊,脂肪,ゲラチンスポンジ,アルコール,コイルなどいろいろな製品薬物が用いられている。腎腫瘍治療の目的では主幹動脈の梗塞をするので,栓塞部位は特に正確を要しないが,腎動静脈瘻の栓塞は,その部位が非常に大事である。栓塞部位が不適当であれば,正常機能組織まで障害することになり,これは外科的治療においても同様である。著者らはこの欠点をなくすために,シリコン球を正確に栓塞部位に装着する機器を考案してその治療成績について報告している。
その機器は2Fポリウレタンカテーテルの先端にシリコン球を取りつけ,このカテーテルを介してシリコン球を造影剤で膨らませ,その適当な位置を確認してシリコン球を取り外すことができる。シリコン球は1mmと2mmのものがあり,膨らむと径4mm,9mmとなり,その容量は0.2ml,0.5mlとなる。股動脈より挿入するカテーテルは6.5F,7.3Fのものを用いている。著者の治療した患者は14名で,男性6名,女性8名であり,その疾患は高度の血尿を主訴とした外傷性動静脈瘻6例,腎動脈瘤3例,腎細胞癌4例,そして慢性糸球体腎炎1例である。
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