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緒言
表在性膀胱腫瘍の治療上,再発傾向という問題は避けられず,表在性膀胱腫瘍のTUR後の再発率は約60%であり,その後の局所的化学療法を追加しても,再発率は約40%といわれている1)。このように,表在性膀胱腫瘍に対する治療方法は確立されたものとは言い難い。そこで,近年,従来の手術,化学療法に加えて,様々な生物学的活性物質を用いた,いわゆる免疫療法が膀胱腫瘍に対して行われてきている。なかでも,インターフェロンは生物学的作用・構造ともに十分に明らかにされた物質であり,臨床的に種々の悪性腫瘍に用いられつつある。悪性腫瘍に対するインターフェロンの効果は,未だ明確なものではないが,Melanoma2),Multiple myeloma3), Lymphoma4),Renal Cell CarCinoma5)などにおいてインターフェロンの有効性を示す報告がみられてきている。しかしながら,膀胱腫瘍に対するインターフェロン療法の報告は少ない。今回,われわれの経験した膀胱腫瘍に対するインターフェロン療法を報告する。
Eleven patients with bladder cancer were treated with HLBI (human lymphoblastoid (α) interferon, specific activity of 1×108 IU/mg protein). Of these patiens 8 received the combination of topical and intravenous IFN injection, and 3 received topical IFN injection alone. Response rate was high, with 36% (4/11) CR, 55% (6/11) PR and 9% (1/11) NC. Concerning the administration routes of IFN, topical IFN injection was more effective compared with intravenous IFN injection.
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