小さな工夫
腎盂切石術における腎洗浄
西浦 常雄
1
1岐阜大学医学部泌尿器科
pp.459
発行日 1977年5月20日
Published Date 1977/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202364
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腎盂切石術の際に腎杯に迷入した小結石の探索に苦労した経験のある人は少なくないものと思われる。そのような時に腎洗浄を行なうが,その際しばしばX線で認められなかつた小結石や結石砂が流出してきて驚かされる。このようなことから,われわれは腎盂切石術の際には必ず腎洗浄を行なうことにしている。
しかし,注射器の付換えなど案外面倒なものである。三方活栓を利用する方法も考えられるが,何か簡便な洗浄装置がないものかと考案し,そのアイデアを器械屋さんに話したところ,図のような器械がすでにあることを教えられ,その試用をすすめられた。この器械は元来外科などで汚染外傷の創部の洗浄清浄化などのために作られたもののようである。血液ポンプと同様な構造であるが,回転部分が偏心円になつているので,噴出する水流は脈流となつている。早速瞥盂切石術の際に応用してみたところ,簡便さよりもむしろ極めて能率が良いことに驚嘆させられ,現在愛用している。
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