交見室
経尿道的前立腺切除術の手術成績,他
藤田 公生
1
1浜松医科大学泌尿器科
pp.892-893
発行日 1982年9月20日
Published Date 1982/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203433
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わが国においてもTURは一般的な手術手段になつた。筆者がTURを始めた頃は優れた術者も少なく,ティーチングスコープもないので切除中は内視できずに切除の前と後を見せてもらうだけであつた。現在では優秀な術者も増え,ティーチングスコープも普及し,さらにこれをビデオシステムにつなぐことも可能になつている。5年ほど前に筆者は,200例の経験でほぼ1人前の術者になれるのではないかと述べたが,現在では50例でそれに匹敵する教育が可能であろうと考えている。
ところでTURは麻酔をふくめて全過程をひとりの医師が管理することができるので,麻酔医のいない地方病院にひとりで赴任したような場合には好都合である。しかし,TUR自体がかなりの緊張を要求する手技であり,これに患者の全身状態の悪化が加わると,正直なところ術者は泥舟に乗つた狸のような心境になる。そのため,術中術後に安定した状態が維持されていることが望ましい。
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