手術手技
追加発言・1—下正中切開法による下部尿管切石術
佐々木 寿
1
Hisashi Sasaki
1
1東京医科大学泌尿器科学教室
pp.725-726
発行日 1982年8月20日
Published Date 1982/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203403
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尿路結石症は,尿路の通過障害と尿路感染症を惹起し腎機能の低下をきたしやすく,主要な泌尿器科疾患の一つである。過去5年間(1977年より1981年まで)に当教室で経験した尿路結石症に関する手術術式別の頻度は第1表のごとくで,尿路結石症の総手術は147件,うち尿管切石術は76件で半数以上を占め,最近の諸施設の報告1〜4)に近似しており,尿管切石術は泌尿器科手術のなかでも基本的,かつ主要な手術であることを裏づけている。尿管を腸骨動静脈との交叉部によつて上・下部尿管とし,尿管切石術を手術術式により分けたのが第2表である。上部尿管切石術は57件,下部尿管切石術は20件で,下部尿管切石術は上部尿管切石術に比較して手術件数が少なくなつている。これは下部尿管結石の自然排石率の高いことに起因している5,6)。下部尿管切石術術式は結石の介在部により選ばれるが,下正中切開法によるものが過去5年間に4件あり,下部尿管結石,特に膀胱壁内結石では優れているのでこれについて言及する。
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