文献抄録
ヘパリンによる恥骨炎の治療
pp.509
発行日 1982年6月20日
Published Date 1982/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203361
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恥骨炎に関してはその報告は古いが,現在その病因について諸家の意見は一致していない。病因として考えられている点は,外傷とそれに伴う感染,恥骨の静脈血流不全,前立腺周囲静脈叢の感染性血栓,恥骨血栓などがあげられている。そして従来行われている治療法は抗生剤,鎮痛剤,消炎剤などの投与,恥骨の切除,放射線照射,高周波療法,複合ビタミン剤,副腎ホルモン,ハイドロコーチゾンの局注法など多様である。臨床的に恥骨炎を経験することは稀であるが,恥骨炎は月余あるいは数ヵ月にわたつて患者を苦しめるので有効適切な治療が要求される。
著者らは3例の恥骨炎患者にヘパリン静注治療を行つて劇的な効果を得たとして2症例をあげて報告している。
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