交見室
前立腺癌患者における病相の数量表示について/尿路悪性腫瘍と尿中ポリアミソについて
竹内 弘幸
1
1東京医科歯科大泌尿器科
pp.812-813
発行日 1981年8月20日
Published Date 1981/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203201
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本誌35巻5号に掲載した拙著「前立腺癌患者における病相の数量表示に関する試み」に対し,前立腺癌研究の先駆者であられる千葉大教授島崎淳氏から早々に論評をいただき大変光栄に存じます(7号交見室)。 氏がその論評の中で御指摘になつているように,癌患者を診療するに当つては次の二つのことを把握しておかなければなりません。一つはその癌のもつ生物学的性状で,進行の速さや治療に対する反応性も含めた癌と宿主の動的関係で,ここでは仮に「病態」と呼んでおきます。もう一つは宿主が現時点でその癌にどの程度侵害されているかという静的な関係で,これは拙著にいう「病相」であります。この二つが大凡患者のたどる運命を定めているといつてよいでしよう。この関係を非常に単純化して数式化すると指数関数y=aebtと表わすのが適当かと思います。yは生命力,tは時間,a,bは定数です。aは初診時(t=0)の「病相」を,bは「病態」を意味し,それぞれ病相係数,病態係数と命名します。
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