Case Study
難治性の昼夜尿失禁を訴えて来院した症例
福井 準之助
1
1信州大学泌尿器科
pp.1221-1224
発行日 1979年12月20日
Published Date 1979/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202874
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10歳,女児。生来,昼夜間の尿失禁がある。便失禁はない。排尿状態は,正常の排尿もあり,尿線も太く勢いもよい。尿意を感じるとすぐ便所に行かないと失禁状態となることが6歳頃まで続いたが,現在はない。月に2〜3回ほど,半日位パンツを汚さないこともあるという。また排尿後腹圧を加えると,尿の漏出があるという。頻尿はない。小さい頃に比べ現在では,1日2〜3回位パンツの交換を行なわなければならない程,尿失禁の量が増えてきた。4歳頃より某病院で向神経薬剤や抗コリン剤の投与を受けていたが,ほとんど効果なく,最近では,服用したりしなかつたりしている。学校の旅行が近づいたので,母親が心配して本院を一緒に受診した。既往歴,家族歴には,特記すべきことはない。
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