Case Stady
前立腺肥大症に合併した高度な両側水腎症が留置カテーテルによつて改善しなかつた例
柳沢 温
1
,
渡辺 健二
1
1信州大学泌尿器科
pp.1125-1128
発行日 1979年11月20日
Published Date 1979/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202858
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65歳,男性,建具職。
1974年9月,脳血栓の発作があり,以後右半身麻痺が続いている。1976年7月,リハビリテーションのため入院中に肉眼的血尿と排尿困難に気づいた。同年7月28日,前立腺肥大症として某総合病院にてTUR-Pが行なわれた。しかし,排尿困難はあまり改善しなかつた。なおこの時,左水腎症も存在したが,その原因の追求は行なわれなかつた。1979年6月,排尿困難が増強し尿閉となり,留置カテーテルが必要となつた。KUB,DIP,尿道造影の写真を持参して当科を受診した。このときの診断は,両側腎結石兼水腎症,前立腺肥大症,前立腺結石,および右尿管結石の疑いであつた。両側水腎症の原因は,前立腺肥大症によるものと考えしばらく留置カテーテルを続けて水腎の回復を期待することにした。しかし,3ヵ月間の留置カテーテルに拘わらず水腎症の改善はみられなかつた。
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