小さな工夫
小児や水腎症のない症例に適した尿管留置カテーテル
井口 正典
1
1市立貝塚病院泌尿器科
pp.706
発行日 1994年8月20日
Published Date 1994/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901280
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回腸導管造設術時や膀胱尿管逆流症に対する膀胱尿管新吻合術時にはピッグテール尿管カテーテルが利用されるが,これら術式の対象となる症例は通常水腎症がないため腎盂体積が小さく,また膀胱尿管逆流症症例は小児例が多いため,カテーテル先端のループを腎盂内にうまく留置することは難しい。筆者らは回腸導管造設術時には従来はポリウレタン製ピッグテール尿管カテーテル(写真上)やSof-Flex®製ダブル・ピッグテール尿管カテーテルを利用していた。前者は先端のループ部の直径が18mmもあるため,小児例には利用できない欠点があり,また後者は材質が柔らかいことと先端のループが大きいために先端が腎盂内でうまく輪にならない欠点があった。そこでメーカーに依頼し,先端のループの直径が12mmの尿管カテーテル(6Fr.70cm)を作成した(写真下)。このカテーテルはSof-Flex®製のためポリウレタン製カテーテルよりも柔らかく,またループ先端部を先細にしたためガイドワイヤー使用下に尿管への挿入も容易であり,ループの直径が小さいため腎盂内で容易に輪を作れるなどの長所がある。また尾部に赤と青のマークを別個に付け,術後左右どちらの腎盂に留置されたカテーテルかの判断を誤ることもないように工夫してある。
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