文献抄録
小腸代用尿管89例の臨床成績/包茎手術後のインポテンス
pp.861,900
発行日 1979年9月20日
Published Date 1979/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202807
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小腸代用尿管の手術は1906年Schoemakerにより初めて試みられたが,本治療法の適応,手術手技などが確立されたのは比較的最近のことである。著者らはUCLAとその関連病院にて,1954年から1978年の間に行なわれた回腸代用尿管症例89例の治験について報告している。著者らはこの治療法の適応として,再発性尿管結石(施行症例44),尿管狭窄・尿管瘻(施行症例27),先天性尿管狭窄(施行症例11),単腎者尿管瘻その他をあげている。術後の成否については,腎機能,電解質,IVP,VURなどについて検索し,術前より改善または不変の症例を一応手術目的を達したものとした。症例は89症例で,男性33例,女性56例で,性別は特に手術成績と関係はなかつたが,成人では87.2%の成功に対し,小児では45%の成功にとどまつた。臨床成績についてみると,再発性結石症例44例中小腸尿管設置で,腎盂像の改善,病状の軽快,creatinine値などの低下をみたもの38例(88.4%)であり,44例中9例は単腎者であつた。尿管狭窄症例27例についてみると,泌尿器・婦人科的手術後の狭窄24例,結核性尿管狭窄2例,後腹膜線維化症1例で,術後臨床所見の改善をみたもの22例(84.6%)である。先天的巨大尿管症11例では術後の改善5例(45%)と低率であつた。
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