交見室
小児睾丸腫瘍と先天異常の合併について/精管切断術について
大田黒 和生
1
1名古屋市大泌尿器科
pp.820-821
発行日 1979年8月20日
Published Date 1979/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202802
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本誌33巻6号掲載,坂下氏らの論文「小児睾丸腫瘍と先天異常の合併」を読ませていただいた。北大泌尿器科教室における25年間の経験例として,14歳以下の小児睾丸精上皮性腫瘍,25例を紹介,その中で,ことにyalk sack tumorの20例中に下大静脈後尿管,膀胱憩室,臍ヘルニヤ,Down症候群の各1例をみとめ,一方,teratoma mature 5例中1例に同側の鼠径ヘルニヤがみとめられたと報告している。そして,25例中5例(20%)という高率に先天異常の合併をみたことは注目に値するとのべている。
さらに,重要な意見として,小児睾丸腫瘍はyalk sack tumorとteratoma matureの2種しかなく,思春期以後の睾丸腫瘍とは異なると主張されている。この分類に関しての考え方は文献にも引用されているBrosman, S.およびGondos, B.(1974)の分類に従つたものと思われるが,この点についてはまだ問題が残されているように思われる。
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