特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている
その他の手術
小児のヘルニア手術で精管を切断した
牧野 永城
1
1聖路加国際病院外科
pp.824
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208703
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小児でも成人でも,未だ子供をつくる必要のある人に対しては,もし精管を切断した場合は,再建術を試みるべきである.他側が残つているからかまわないと考えるべきではない.反対側にもへヘルニアが発生し得ること,そして両側にもし損傷が起これば不妊につながることを考慮し,必ず再建するべきである.もつとも小児の場合などは,精管が細いので,再建術後の開存率は50%ぐらいであろうなどといわれている.
再建には,6-0ぐらいのクローミックカットグート,またはデキソンを使い,全層を通して端々吻合する.マイクロサージャリー用の顕微鏡を使えば成績がよいというが,筆者には精管切断の経験がない.術後,吻合部の開存率をよくする方法として,カットグートをスプリントとして使う方法や(図),ワイヤをスプリントとして両端を腹壁外に出し,10日位してから抜き去る方法もある.
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