手術手技
膀胱全摘除術のコツ
宍戸 仙太郎
1,2
Sentaro Shishito
1,2
1東北大学
2仙台社会保険病院
pp.979-980
発行日 1977年11月20日
Published Date 1977/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202445
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はじめに
私が東北大学に在職したのは,1959年3月より1975年4月までの約16年間であるが,この間に経験した膀胱腫瘍症例は516例である。これら症例に対して,その年齢,身体状態,腫瘍の大きさ,発生部位ならびに状態,術前浸潤度判定などを考慮して,患者にとつて最も侵襲が少なく,しかも根治性のえられる方法で治療を行なつてきたが,私が外科を専攻した後に泌尿器科医となったので,どうしてもOpen Surgeryが主体をなしている。すなわち,膀胱部分切除術201例,膀胱全摘除術154例,経尿道的手術,その他が112例と,2/3以上の症例にOpen Surgeryを行なつてきたことになる。
さて今回,膀胱全摘除術のコツについて紹介するようにとの依頼を受け,改めて考えてみたが,low stageで多発性,あるいは再発を頻回に繰り返す症例を除き,high stage症例の手術操作上,このようにすれば楽に,しかも上手に行なえるというような,いわゆるコツは思い浮かばない。そこで私が特に注意して行なつている点をあげて,責任を果したいと思う。
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