追悼
小田完五先生を悼む
三品 輝男
1
1京都府立医科大学泌尿器科学教室
pp.699
発行日 1975年8月20日
Published Date 1975/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202024
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恩師小田先生は大正元年十二月十二日に広島県に生まれ,昭和十二年三月に京都府立医科大学を卒業,同大学皮膚泌尿器科学教室に勤務され,昭和十三年九月二十二日に入隊,陸軍軍医として中支,台湾に従軍,転戦し,ことに中支では身の危険をもかえりみず,乏しい器材,薬剤をもつて戦病傷者の治療にあたられた。昭和二十一年三月に復員と共に皮膚泌尿器科学教室に勤務,片岡八束教授のもとで皮膚泌尿器科学を研鑚され,昭和二十三年六月に女子専門部教授となり,昭和二十三年十二月には大学講師を兼任された。昭和二十五年一月に皮膚泌尿器科学教室助教授に任ぜられ七月には「生体皮膚膜電位差に関する研究」によつて医学博士の学位を授与された。昭和三十年十二月からは岩下健三教授の下で助教授として教室の発展に力を儘し,昭和三十八年九月に皮膚科と泌尿器科が分立してからは泌尿器科の教育,研究,診療にあたり,昭和三十九年五月に泌尿器科講座が設立され,初代泌尿器科学教授に昇任された。新設当初は少ないスタッフにもかかわらず,よく教室の和を計り,早々に水分代謝を基調とした尿量と腎機能,体液の酸塩基平衡また尿路感染症に関する研究など,臨床に則した多くの実験的研究を,日本泌尿器科学会, 日本腎臓学会, 日本化学療法学会などで発表された。
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