文献抄録
前立腺潜在癌の予後
pp.528
発行日 1974年7月20日
Published Date 1974/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201825
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前立腺の潜在癌や,stage Aの癌は,剖検時あるいは生検において見い出されるが,その治療の要否については諸家の意見は一致をみていない。ある人は積極的外科治療をすすめるが,著者らはむしろなんら治療せず経過観察することにしている。また潜在癌に対する抗男性ホルモン治療にも疑問をもつている人もおり,Greene(1955)らは女性ホルモン治療群と無治療群の生存率に差のないことを指摘しており,著者もこの点について検討を加えて報告している。
著者らはMason Clinicにおいて,1972年までに714名の前立腺癌患者を集計しているが,この内stage Aは71名で,精査し得た47名を対象に調査した。治療法については23名にstilbestrol 1日1mg連日投与,22名はまつたく無治療,2名は全摘除を行なつた。これらstage A症例の癌進展度の検索では,39名は2ないし3ヵ所の小結節形成癌であり,8名は腺内に瀰漫性に浸潤を呈している例で,うち3名は未分化癌の組織像を示した。
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