文献抄録
先天的巨大水尿管症の80症例
pp.418
発行日 1974年6月20日
Published Date 1974/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201806
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一般に先天的巨大水尿管症とは,膀胱の生理的排尿機能あるいは三角部・尿管口などに器質的障害がなく,かつ膀胱尿管逆流現象・尿管内腔に狭窄・弁形成などの異常が証明されない場合の水尿管を言つている。従来この巨大水尿管症の発生原因に関しては諸家の仮説が多く述べられているが,著者は多数の本疾患の臨床観察から尿管の発生異常に起因する尿管縦走筋異常を有力視している。臨床例は過去40年間にNewYork Hospitalで治療された80例の先天的巨大水尿管症で男子33例,女子47例である。年齢別では10歳以下が50例(66%)と多く,両側性33例,右側29例,左側18例となつている。尿管拡張発生部位では膀胱尿管移行群104(92%),尿管上1/3が4,尿管部中央5で,本疾患発見動機としては尿路感染52例で最も多く,本疾患の合併症として腎盂尿管移行部狭窄症が20例(25%)と反対側の膀胱尿管逆流5例,尿管開口異常,腎欠損症が5例認められ,尿路の先天的奇型合併の多いことが注目される。
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