腎臓病の病理・4
糸球体疾患(Ⅱ)
坂口 弘
1
,
緒方 謙太郎
1
Hiroshi SAKAGUCHI
1
,
Kentaro OGATA
1
1慶応義塾大学医学部病理学教室
キーワード:
微小変化型ネフローゼ症候群
,
巣状分節性病変
,
巣状分節性糸球体硬化症
,
膜性腎症
,
免疫複合体病
Keyword:
微小変化型ネフローゼ症候群
,
巣状分節性病変
,
巣状分節性糸球体硬化症
,
膜性腎症
,
免疫複合体病
pp.461-467
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900112
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原発性糸球体疾患は病変の分布,特徴像から分類される.微小変化型ネフローゼ症候群は同症候群の原因疾患としてもっとも多い.その糸球体病変は,光顕像は正常の糸球体とほとんど変わりなく,電顕にて糸球体上皮細胞の足突起の消失が認められる.巣状分節性糸球体硬化症は特に小児科領域で重要で,難治性のネフローゼ症候群を呈し腎不全に陥ることが多く予後不良な疾患である.前2者の鑑別は時に難しく,臨床的にも重要である.膜性腎症は,ネフローゼ症候群を呈することがほとんどであり,糸球体基底膜上皮下に免疫複合体の沈着が起こることによって惹起される免疫複合体病である.
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