症例検討
後腹膜腫瘤
小川 秋実
pp.225-230
発行日 1974年3月20日
Published Date 1974/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201778
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司会 腹部腫瘤の患者さんですが,診断が非常にむずかしく,レントゲン・フィルムの読み方にも問題のある症例です。
A患者さんは63歳の女性で,主訴は左腹部腫瘤。現病歴は古くから始まつておりまして,昭和20年ごろ左季肋部に鶏卵大の腫瘤が出現したそうです。この腫瘤があるときには嘔気,嘔吐があつて,2日から1週間すると自然に消失しました。この間,下痢も腹痛もなかつたそうです。近医を受診したところ,腸カタルの診断で治療を受けておりました。その後も春ごろになると,同じような症状を繰り返していたそうです。ところが,昭和45年以降は,このような症状が一時おさまつています。
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