文献抄録
前立腺癌治療における局所所見
pp.664
発行日 1973年8月20日
Published Date 1973/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201658
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抗癌治療の効果の判定は,標的臓器の局所効果と患者の生存率の2方面が考慮される。この両者は必ずしも相関関係にはない。前立腺癌の場合には,ほとんどの報告は患者の生存率からその効果が云々されている。著者らは,最近行なわれている3つの治療法の効果を前立腺の組織所見から観察して報告している。30例の手術不能の前立腺症例を選び,治療法の組織所見を12ヵ月から16年にわたつて生検法により観察した。治療法は3群に分類した。14例は女性ホルモン療法のみ。女性ホルモンはStilbestrol 1mg/dayとした。
9例は放射線療法のみ。その方法は4meuのリネアックで,小骨盤腔,傍大動脈節,前立腺を含めて前後方向から2400rads。更に25meuベータトロンで,所属リンパ節へ4800rads 10日後に前立腺およびその周囲組織へ照射し,深部総線量計7200radsを照射した。7例は放射線療法と女性ホルモン療法を併用した。
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