文献抄録
被切断陰茎の再吻合
pp.464
発行日 1973年6月20日
Published Date 1973/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201622
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一般に外傷性陰茎皮膚剥離症はしばしば経験するが,同時に陰茎を根部から切断されることは珍らしい。著者は後者のような症例に対して再吻合術を行なつた経験とかかる症例の文献的考察を紹介している。
症例は41歳の白人で同性愛のもつれから調理用大形ナイフで傷害をうけた。外傷は下腹と性器にあつて,2ヵ所の刺傷も下腹部に認められた。切傷は右外鼠径輪から恥骨部を通つて左鼠径輪に達し,さらに下内方へ左陰嚢部より正中線をこえている。左右の睾丸精索は露出し,陰茎は根部にて完全に切断されていた。陰茎切断面より強い出血を認めていた。まずFoleyカテーテルを膀胱に入れて膀胱損傷のないことを確認してから陰茎背面の動静脈を結紮し,次に切断陰茎の吻合を行なつた。陰茎は約1cm程恥骨末梢側が残存していたので,この部の海綿体を生理的食塩水にて洗滌し,つぎに外尿道口よりFoleyカテーテルを被切断尿道を通して膀胱内に留置,さらに陰茎海綿体・尿道海綿体をそれぞれ04 catgutにて結節吻合,海綿体隔壁,Back Fasciaはそれぞれ連続縫合した。
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