Japanese
English
綜説
前立腺結石
Prostatic Calculi
小池 六郎
1
,
池上 茂
2
Rokuro Koike
1
,
Shigeru Ikegami
2
1杏林大学医学部泌尿器科学教室
2東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kyorin University School of Medicine
2Department of Urology, Tokyo Medical and Dental University
pp.443-451
発行日 1973年6月20日
Published Date 1973/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201620
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前立腺結石という疾患名はかなり昔から知られていて,1586年Donatus1)により報告されたのが最初である。その後の症例報告は多々あつたが,1927年Thomas & Robert2)が交献的に305例を集めて報告している。その後の主な報告としてはBrady Urological Instituteの記録を調べたYoung(1934)3)の100例があり,後にFinkle(1954)4)はその後の症例を追加して361例にして報告している。そのほかLowsley(1938)5)の420例,St.Peter's HospitalにおけるFox(1960,1962,1963)6〜8)の484例などがある。
前立腺結石の成因の検索が進むにつれ,組織学的に顕微鏡でやつと発見されるような小さな前立腺結石は思春期以後には多かれ少なかれしばしば発見されるものであることがわかつてきた。Joly(1927)9)も,こういうような小さな前立腺結石はほとんどすべての老人にみられるもので,そのための症状を訴えるものは非常に少なく,病的とはいい難いとしている。そこで少なくともX線写真上で結石像が発見される程度に大きいか,手術により肉眼的に見分けられる程度に大きいものを前立腺結石とするのが妥当であると考えられ,上述の症例もみなこの線に沿つて報告されている。
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