増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
3.尿路結石・腎石灰化症
尿道・前立腺結石
鈴木 孝治
1
Koji Suzuki
1
1金沢医科大学泌尿器科
pp.188-189
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902583
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1 はじめに
尿道結石の多くは上部尿路および膀胱結石が尿道内に嵌頓したものである。前立腺部尿道に多く,前部尿道,特に外尿道口付近に嵌頓し,尿閉や会陰部痛,尿道痛,異物感を呈する。稀にTUR-P後の遊離切片を核にして結石が形成されることもある。当科における3,000個の尿路結石分析では,25個が蓚酸カルシウム(CaOx)と燐酸マグネシウムアンモニウム(MAP)であった。男性ではCaOx結石が多く,女性ではMAP,CaOxであった(表)。すべて5mm以上の結石であった。中には巨大なMAP結石を女性患者で自排した例があった(図1)。多くの症例で急性尿閉や会陰部の激痛を訴えるため,緊急に対処しなければならない。内視鏡的に結石を順行性に摘出できることは少なく,尿道鏡で直視下に結石を確認しながら膀胱まで押し戻し,砕石したうえで摘出することが多い。前立腺肥大症や尿道狭窄を基礎疾患に持つことがあり,尿道鏡操作は慎重に実施することが肝要である。
前立腺結石は50歳以上の男性で観察される。尿路には直接的な影響を与えないため,臨床的には重要視されていない。澱粉様小体に感染などが加わり,無機塩が沈着して形成されるとされている。成分の判明している結石50個のほとんどはMAPと燐酸カルシウムを含有していた。大きさはさまざまで,1mmくらいのものから数cmのものまである。通常は複数個あり,TUR時に確認できるものでは数十個以上存在する(図2)。
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