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はじめに
戦時中主として潜水艦の水中探知器に用いる目的で急速な発達をみた超音波技術は,戦後漁業や工業方面に広汎に利用され,実用化されている。またその特殊な性質を医用,ことに診断面に応用しようとする試みも活発に行なわれ,脳外科領域,産科領域などではすでに日常不可欠の検査としてとり入れられており,その他内科的外科的にも広い範囲にわたる適用が約束されている。わが国のこの方面に関する技術は世界的にみても水準が高く,日本医学の誇りうる一分野であるといつてもよい。
一方泌尿器科領域においても,超音波診断導入の必要性は以前から説かれており,わが国では順天堂大グループ1)および岐阜医大グループ2)がその主唱者であつた。しかし,現状においては,泌尿器科クリニックで超音波診断を採用したところは未だまことに少ない。私達は日本超音波医学会第20回研究発表会(昭和46年11月,於大阪)パネル討論において「泌尿器科領域における超音波診断の現状と将来」という主題を担当したが3),本稿ではその講演内容を中心に,将来泌尿器科領域内のどの分野に超音波診断を応用すべきであるかについて論じ,さらに私達が積極的に施行している前立腺の超音波診断について,現在までの成果を報告しようと思う。
The outline of ultrasonic examination and its application to the field of urology were discussed. The ultrasonic examination for prostatic disease, which future development is highly expected, was described in detail.
Ultrasonic examination is not a macroscopic morphologic examination to replace the value of x-ray but to fill the defects of it. This method for the diagnosis of prostatic disease could offer extremely better information, in quality and quantity, as compaired to other macroscopic morphologic examinations although there are some difficulty in the procedures.
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