文献抄録
永久腎瘻としてのU字管腎・腎盂瘻法
pp.128
発行日 1970年2月20日
Published Date 1970/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200864
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腎盂尿管移行部の狭窄,尿管,膀胱部の狭窄で乏尿から無尿状態となって腎瘻設置の必要にせまられることはしばしばある。実際の臨床面では子宮癌,膀胱癌,前立腺癌等の尿管浸潤,あるいは反覆する結石による尿管狭窄等の時に,腎障害を防止するために永久的尿路変更法として腎瘻設置の必要があるわけである。腎瘻設置手術に関しては従来からいろいろな方法が行なわれているが,永久瘻としては一方向的な腎瘻は必ずしも満足す可きものではない。この方法の欠点としてはTubeが正確に腎盂ないし尿管に固定されていないこと,あるいは尿路感染,出血,尿停滞等の合併症をまねき易く,またTubeがぬけ易い点等があげられる。カテーテルの位置の変更は手術操作によらねばならぬ難点もある。これに反してU型Tubeの使用は著者は68症例に試みて最長溜置の者は12年間設置して極めて良好な結果を得ていることを強調している。U型Tubeの設置法は腰部斜切開にて腎を露出して金属性Tubeにて腎盂から腎実質を貫通してこれを腎外に導き,その先端にゴルカテーテルをつけて再び腎盂外にこれを引出すようにする。ゴム管の径は3ないし5mmのもので,2コの孔を途中にあけてこれを腎盂内に止めるようにする。カテーテルの固定位置は斜切開の上下端が適当である。一方の端は皮膚に絹糸をもつて固定する。
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