見聞記
第63回米国泌尿器科学会総会(2)
中村 宏
1
1慶大泌尿器科
pp.236-239
発行日 1969年3月20日
Published Date 1969/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200644
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5月13日の第2日目,といつても正式にはこの日から総会が始まつたわけだが,祈願,準備委員長のDr.Russell B.Carsonの歓迎の辞に続いて,外国からの参加者,AUAの地方会の会長,本年度のAUAの役員の紹介があつた。日本からの参加者は1人もなく,日本人で参加したのは,Duke Univ.に留学中の九大の相戸賢二先生と私の2人のみだつた。
午前中は一般演題で,Dr,J.N.de Klerk他(Baltimore,Md.)の「霊長類を実験動物に用いるモデルとしてひひを使用した腎同種移植における新しい治療法」によつて始められた。200回の腎同種移植を両側腎剔を行なつたひひに施行し,9カ月以上観察した。赤血球および白血球の抗原分析でマッチしたひひを,SKCF (subcellular kidney cellfraction),ひひ—山羊・グロブリン,ひひ—猿—山羊・グロブリン,chloroquine,quinacrine,thalido—mide,hyper-immunized sera,RNA—ase,imuranで処置した。そのうちSKCFおよびthalidomideについて面白い結果がえられていた。Thalidomideは10mg/kg以下では,生存率の延長が見られなかつたが,手術時にのみ10mg/kg投与すると生存率の延長が見られた。
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