見聞記
第62回アメリカ泌尿器科学会総会(3)
中村 宏
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科
pp.73-76
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200334
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第3日も先ず学術映画で始まつた。
Dr.W.E.Goodwin(Univ.ofCalifornia,Ros Angeles,Calif.)は,萎縮膀胱または膀胱部分切除後の回腸を用いた膀胱拡張術の手技を映画で示した。空置した回腸を切り開き,一側の長辺を真中から二つ折りにする形にして縫合し,U字型の回腸片を作り,これを膀胱欠損部と縫合する方法で,こまかい点について判り易く映画で説明した。続いてやはりUniv.of California,LosAngeles,Calif.のDr.J.J.Kauf-manが,馬蹄鉄腎に発生したグラヴイッツ腫瘍に対する腎部分剔除術の鮮な手技を映画で示した。次いで今度の学会の映画部門で1位となつたDr.M.Tannenbaum(ColumbiaUniv.,New York, N.Y.)のTimeLapse Photographyが上映された。前立腺組織の細胞培養を日本光学(ニコン)の特殊装置を用いて撮影したもので,悪性腫瘍細胞は正常細胞に比して,より頻回活発に細胞分裂を起こしているのを見事に写していた。
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