交見室
結石性腎盂腎炎への尿路ドレナージ
仲山 實
1
1与那原中央病院泌尿器科
pp.177
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103442
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67巻10号の「泌尿器科救急疾患―あなたの対処は間違っていませんか?」という興味ある特集の中で,永江浩史先生は尿路結石による尿路閉塞を伴う急性腎盂腎炎における閉塞尿路のドレナージ処置に関して,①重症敗血症の場合,②画像所見で尿排泄が極めて不良の場合(CT,超音波で水腎著明,造影15分以内に尿管排泄なし,など)を挙げている。
一方,私たちは2008年に本誌に掲載された論文「尿路結石の閉塞性腎盂腎炎における迅速ドレナージの有効性」で,結石性腎盂腎炎は原則として全例,迅速にドレナージを行うべきであると報告した1)。本論文は,結石性腎盂腎炎に対して基本的に抗菌薬による治療を行い,重症例あるいは重症化した例にドレナージを行った施設の後ろ向き調査の結果と,原則として即ドレナージを行った施設での結果を比較したものであり,上記の結論は,全例に迅速ドレナージを行う方針によって,DIC(disseminated intravascular coagulation)の発生が抑制されたことによるものである。
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