書評
「出血・失禁は心配ご無用!ピールテクニックを用いた前立腺全摘除術(DVD付)」―上平 修 著
後藤 百万
1
1名古屋大学大学院・泌尿器科学
pp.107
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103428
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本邦の前立腺がん発生率は急速に増加し,2020年には肺がんに次いで男性悪性腫瘍の第2位になると推計されている。前立腺全摘除術は前立腺がん根治を可能にする重要な術式であるが,術中出血量の減少,術後尿失禁の防止が克服すべき課題であり,様々な手術テクニックが開発されている。本書は前立腺全摘除術の術者として著名な上平修先生が,鑷子型の電気メス(VIOシステム)を用いて,出血を最小限の150ml前後に抑え,術後尿失禁を防止するテクニックを伝授するものである。
ピールテクニックとは,肛門挙筋を筋膜ごと残して,尿道を筋膜に縫いつけて固定するもので,他の膀胱頸部温存,神経血管束温存,後壁補強などの失禁防止処置をしなくても退院時の尿禁制を7~8割の患者で保つことができるという。
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