書評
「ティアニー先生のベスト・パール2」―ローレンス・ティアニー 著/松村正巳 訳
清田 雅智
1
1飯塚病院・総合診療科
pp.531
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103251
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物事を単純化することは,しばしば行動を誤らせる原因になる。現実世界では,単純化されたマニュアル的な対応だけでは通用しないことがしばしば起こる。しかし,細かいことにこだわらなければ,おおむねマニュアルは使い勝手がよいことが多い。
クリニカル・パールというのは,米国では昔から行われていた教育手段だという。日本でも,経験のある医師がしばしば臨床の“コツ”を伝えるという教育手段はあった。それは経験則として語られていたと思う。個人的な見解だが,日本で聞くその手の“コツ”というのは,しばしば誤用されて伝わっているものだったり,独善的な知識の場合もあると感じていた。それはその経験則が,何から導き出されているのか十分検証されることがなかったからだと思っていた。私はそういう“コツ”を聞くと最初は疑いの目を持ち,書物や文献によって検証して納得したものしか信用していなかった。
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