特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
8 内分泌疾患
男性不妊症
103 閉塞性無精子症
永尾 光一
1
,
田井 俊宏
1
,
小林 秀行
1
1東邦大学大森病院リプロダクションセンター泌尿器科
pp.291-293
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103172
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1 概念・病因
無精子症は,少なくとも2回の検査において,遠心分離した射出精液中に精子が検出されないものと定義される。閉塞性無精子症は無精子症の約15%で,①精巣容積が正常(少なくとも片側精巣14ml以上)で,②血清卵胞刺激ホルモン(FSH)が正常であれば約90%の確率で精巣内に精子が存在するものである。精巣容積正常かつFSH正常でも精巣内に精子を確認できないmaturation arrestがあるので,注意が必要である。
病因として,精管切断術(いわゆるパイプカット),両側鼠径ヘルニア手術,両側精巣上体炎などの既往があれば精路閉塞が強く疑われる。精巣容積正常,FSH正常で精液量が1ml未満の場合,逆行性射精,精管欠損,射精管閉塞が疑われる。逆行性射精の原因としては糖尿病が有名である。
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