特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■尿道の手術
111 尿道腟瘻の修復術で尿道粘膜の縫合線を覆う組織がない
加藤 晴朗
1
Haruaki Kato
1
1信州大学医学部泌尿器科
pp.298
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102359
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Q 尿道腟瘻の修復術を開始した症例。今回が3回目の修復術である。尿道粘膜は縫合したが,その縫合線を覆う組織がない。
[1]概 説
尿道腟瘻は稀な泌尿器疾患である。発展途上国では出産に伴うことも比較的多いようだが,本邦ではまずない。原因としては婦人科の手術や処置に伴う医原性のものが多い。特に感染した尿道憩室を切開・排膿した場合に起こる可能性があるので,あらかじめそのリスクを知らせておく必要がある。また筆者は腟壁の静脈瘤を切除後の尿道腟瘻を修復した経験がある。
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