書評
「そのまま使える医療英会話[CD付]」―仁木久恵,森島祐子,Flaminia Miyamasu 著
曽根 博仁
1
1筑波大学大学院・内分泌代謝・糖尿病内科
pp.824
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102133
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いうまでもなく,英語はすでに医療の世界にも深く入り込んでおり,われわれは日本にいても,日常的に英語の教科書を読んだり,英語の論文からエビデンスを抽出したり,時には国際学会で英語の発表をしたり,英語論文を書いたりもしている。最近では多くの若い医師や医療従事者が,このような英語による読み書きやフォーマルなプレゼンテーションをうまくできるようになってきた。医学英語教育の充実や,留学経験者の増加も寄与しているのだろう。しかし,このような書き言葉をベースにした医学英語に精通していても,外国人の患者さんが来るとけっこう苦労する,というのが私自身を含む多くの医療従事者にとって正直なところではないか。英語圏であれば,子どもでも知っているような症状を表す言葉がすぐに出てこなくて,もどかしい思いをすることが多い。難しい専門用語が通じにくいのは日本人患者さんでも同じであるが,簡単な表現への言い換えは英語では実際にはなかなか難しい。
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