画像診断
詳細な問診により診断し得た陰茎折症
前田 高宏
1,2
,
内田 康光
1
,
中島 史雄
1
1けいゆう病院泌尿器科
2慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
キーワード:
陰茎折症
,
MRI
Keyword:
陰茎折症
,
MRI
pp.68-71
発行日 2009年1月20日
Published Date 2009/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101638
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患 者 56歳,男性。
主 訴 陰茎部の腫脹。
家族歴・既往歴 特記すべきことなし。
現病歴 2007年某月,ガードレールをまたいだ際に陰部を打撲し,その後,陰茎の腫脹が増強したため当科を受診した。診察時,疼痛はなかったが,陰茎は左方向に屈曲し,皮下血腫は陰茎全体から陰囊および恥骨部まで広がっていた(図1)。陰茎折症を疑ったが,患者は受傷時には勃起していなかったと主張した。患者の訴えと身体所見との間に乖離があるため,丁寧に問診を繰り返したところ,前夜,非配偶者との性交時に陰部を相手の骨盤底に強く打ち受傷したことが判明した。受傷後,無痛性に陰茎が腫脹したが,配偶者の手前受診することができずに自宅で様子をみていた。翌朝,症状が軽快しないため受診したとのことであった。受傷時にcrack音の自覚はなかったが,理学所見から陰茎折症を疑い,精査および加療目的で入院となった。
入院時検査所見 末しょう血検査・生化学検査,一般検尿に異常所見はなかった。尿沈渣でも赤血球の混在はなく,尿道損傷の合併は否定的であった。
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