書評
「医療経済学で読み解く医療のモンダイ」―真野俊樹 著
山内 一信
1
1藤田保健衛生大学・医療管理情報学
pp.66
発行日 2009年1月20日
Published Date 2009/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101637
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現代の医療界にはさまざまな問題,課題がある。特にその仕組みを社会学的,経済学的,さらには医療機関のマネージメント機能からとらえる視点は良質の医療を行ってゆくための医療提供体制を考える上で重要である。このほど,これらの問題をわかりやすく解説した『医療経済学で読み解く医療のモンダイ』(真野俊樹著)が医学書院から発刊された。
医療経済学の多くの成書は「経済学とは」という解説から大上段に振りかぶり,経済を成立させている需要・供給の問題に触れ,市場経済,統制経済の解説,そして医療は市場経済にはなじまないので統制経済の要素が強いにもかかわらず医療費は増大し続けることを述べ,少子高齢化が進み負債が増大する日本の経済基盤の中で,どのように良質で効率的医療を達成したらよいのかという流れが一般的である。このような論旨の展開では,まず経済学とは何かという難関に立ち向かうことになる。
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