書評
医療経済学で読み解く医療のモンダイ
福田 秀人
1
1立教大学大学院・危機管理学
pp.481
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103138
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コーネル大学医学部留学中に経済を学ぶことの大事さを痛感し京都大学で経済学博士号を得た,医師でありまた医療経済学者でもある筆者は,出来高払いの保険制度は,医師と患者にとっての天国をもたらすものと説く。患者のために高度な診療をするほど,病院や医師に多額の報酬が支払われるからである。しかし,これでは医療費に歯止めがかからず,また,医師と患者の間の情報・知識の格差が,過剰な診療を誘発する。
さらに,高齢化社会の到来による患者増で医療費は急増していくとの政府予想と財政赤字の深刻化を受けて,医療費の抑制が重要な政策課題となり,包括払い制度,在院日数の短縮,病床数削減,診療報酬引き下げ,ジェネリック薬品の奨励,レセプトの審査強化などが推進されるようになった。延命治療も問題視されるようになった。
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