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編集後記
郡 健二郎
pp.544
発行日 2008年6月20日
Published Date 2008/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101525
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医療の基本は「愛」だと思う。医師は患者に,「思いやり,やさしさ,いたわり」を持ち,患者は医師の献身的な医療行為に「敬い,信頼,感謝」の念を抱く。その患者の笑顔をみて,医師は医療に携わる誇りと喜びと責任を感じる。この循環こそが,これまでの医療を支えてきた力である。
今,医療に「愛」が失われかけているように思う。
医学部受験生は面接試験で,「自分の生活を二の次にしてでも患者さんのためにつくしたい」と目を輝かせて話すが,6年後,その志が消え失せている者がいる。3Kと言われる産科,救急医療,外科などに身を投じる若い医師が激減し,医学研究に没頭する医師が減っているのは残念なことである。
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