特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
5.腫瘍(外来化学療法)
【癌性疼痛】
67.前立腺癌の腰椎転移により腰痛をきたした患者です。対処と処方について教えてください。
野口 満
1
1長崎大学医学部・歯学部附属病院泌尿器科
pp.230-232
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101447
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1 診療の概要
前立腺癌では,癌の進行に伴って骨転移をきたすことが多く,癌の根治は望めないことからも,骨転移に対する疼痛緩和と可動性の確保,身体機能維持は,患者のQOLにおいて最も重要となる。前立腺癌未治療での骨転移合併例では,初回内分泌療法で疼痛コントロールも比較的うまくいくが,再燃癌での場合は,前立腺癌に対する治療と骨転移に対する種々の治療を積極的に行うこととなる。ここでは,再燃前立腺癌の骨転移を想定して記述する。
骨転移が疑われた場合,造骨性のため骨単純X線写真でも診断は容易かもしれないが,多発していることも多く,骨シンチグラフィにより骨転移の局在を診断する。また,腰椎など脊椎への転移であれば,MRIにより脊髄への浸潤,脊髄圧迫の危険性なども評価する。脊髄圧迫による神経症状の出現がみられた場合,ステロイドの使用開始と手術療法や放射線療法の開始をすみやかに行う1)。
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