特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
D.開腹手術
■尿路変向術
【回腸導管造設術】
83.回腸導管造設術を行った患者です。術後に尿管新吻合部の狭窄が起こってしまいました。どのように対処すればよいでしょうか。また,尿管導管吻合部の狭窄をきたしにくい縫合法の工夫にはどんなものがありますか。
高橋 敦
1
,
清水 崇
1
,
市原 浩司
1
,
高木 良雄
1
1函館五稜郭病院泌尿器科
pp.250-253
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101160
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
尿管回腸吻合の合併症として,持続する尿漏(urine leakage),吻合部狭窄,それに伴う腎盂腎炎などが挙げられる1)。このなかで,比較的頻度が高く,臨床上問題になるのが吻合部狭窄である。吻合部狭窄の頻度は3~10%程度と報告されている1~3)。吻合部狭窄の原因としては,そのほとんどが尿管末端の血流障害による虚血性変化によるものとされている。頻度は低いものの,癌再発あるいは結石が吻合部狭窄の原因になることがある。ほとんどは術後2年以内に発生するとされ,定期検査で認められるまで無症状のことが多い3)。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.