特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅰ.泌尿器科処置
【嵌頓包茎整復】
30.嵌頓包茎の患者です。今回は夜間救急外来で約30分かけて整復しました。局所麻酔下で,包皮環状切開を行ったほうがよかったでしょうか。正しい判断であったかどうか悩んでいます。今後は,どのように対処すればよいでしょうか。
浪間 孝重
1
,
星 清継
1
,
池田 義弘
1
,
大沼 徹太郎
1
1東北労災病院泌尿器科
pp.97-99
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101106
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
嵌頓包茎の病態は,包皮輪が陰茎を絞扼するいわゆる絞扼リングによる包皮および亀頭の循環障害であるが,絞扼の強さや持続時間によりその重症度はさまざまである。Kumarら1)は,嵌頓包茎の重症度をGradeⅠからGrade Ⅲの3段階に分類している。すなわち,GradeⅠは軽症で絞扼リング周囲の浮腫のみで,亀頭のうっ血を認めない状態,GradeⅡはGradeⅠに亀頭のうっ血を伴った中等症の状態,Grade Ⅲは重症で包皮のびらんや非圧痕化傾向を伴うリンパ浮腫および絞扼リングによる陰茎自体の損傷を伴う状態,としている。また,嵌頓包茎47例の集計から,その頻度はGradeⅠは13%,GradeⅡは82%,Grade Ⅲは5%で,ほとんどがGradeⅡ以下であったとし,これらGradeⅡ以下では,観血的処置は必要がなかったとしている1)。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.