特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅰ.泌尿器科処置
【膀胱穿刺(膀胱瘻造設)】
1.骨盤骨折に伴う尿道損傷で,膀胱瘻を造設する必要がある患者です。現在,尿があまり溜まっていません。どうしたら安全に造設できるでしょうか。
石田 俊哉
1
1市立秋田総合病院泌尿器科
pp.20-21
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101077
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骨盤骨折に尿道損傷を合併することは多々みられるケースである。尿道損傷の診断は外尿道口からの出血,会陰部の血腫,尿閉,尿道カテーテル挿入困難などにより推測される。尿道造影や軟性膀胱鏡の観察により確定診断がつく。以前は,尿道損傷に対して取り敢えず膀胱瘻を造設し,後日,尿道損傷への処置を行うという考え方もあったが,今はできるだけ初期治療として尿道カテーテルの留置を試みることが重要とされている。透視下にスタイレットを用いて尿道カテーテルを留置する,あるいは軟性膀胱鏡下にガイドワイヤーを通して,それを用いて先穴尿道カテーテルを留置するなどの試みが必要である。尿道損傷があっても尿道カテーテルさえ留置できれば問題はないのだが,設問の症例の場合は留置不可能で,膀胱瘻が必要となっていると判断される。
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