交見室
「座談会:小児包茎に対する処置と手術をめぐって」について
寺島 和光
1
1神奈川県立こども医療センター泌尿器科
pp.1114
発行日 2003年12月20日
Published Date 2003/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101007
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本誌57巻9号の包茎に関する座談会は,出席者全員が「豊富な経験」(734頁)をお持ちのため,興味深かった。私は次の3点について質問とコメントをしたい。そして本誌上でぜひreplyをいただきたい。
1.「…人種差があり,日本人は尿路感染症をそれほど起こさないのではないか」という見解(724頁)について
発言者(複数)は「日本人種は,他の人種よりもUTIをそれほど起こさないのではないか」と言っているわけである。高血圧やある種の癌などではたしかに発生率に人種差があることが知られているが,UTIについても本当にそうか。単なる主観にすぎないのではないか。UTIの発生率について,(国民差ではなく)人種間の比較をきちんと疫学的に行った論文や,さらに日本人(小児)におけるUTIの発生率について信頼できる報告があれば教えていただきたい。
2.「…包茎でも尿路感染は起こさないと思っています。その理由は,病的な細菌がそこにはくっついていないからです」という見解(724頁)について
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