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大阪で万国博覧会が開催され,また「よど号」ハイジャック事件が起きた1970年に,全国で2番目の小児総合病院が神戸市須磨区の“荒野”で産声を上げました。兵庫県立こども病院(290床)は県政100周年の記念事業として,ポートアイランドを埋め立てるための土砂採取後の造成地に建設されました。1985年に日帰り手術棟が建設され,現在では全科合わせて年間約1,100例の手術が日帰り手術で行われています。1994年には周産期医療センターが開設され,1995年に阪神大震災が起きましたが,当時築25年のRC 7階建の本館は大きな損傷を受けずに現在に至っています。2002年には暫定的に第3次救急医療のための救急医療室が設置され,2007年には本格的に小児救急センター(仮称)が開設されることになっています。母子に対する高度専門医療施設としての役割を果たすべく行政の協力も得ており,現在では医師数が100名を超える大所帯となりました。
初代泌尿器科長は大島秀夫で,2代目が谷風三郎,そして3代目が杉多良文と変遷し,現在に至っています。泌尿器科常勤医師は4人おり,全員日本泌尿器科学会専門医です。月曜日全日・火曜日午後・水曜日全日に入院手術,木曜日午前に日帰り手術を行っています。当科の手術件数は年間約450件(入院手術:約250例,日帰り手術:約200例)です。代表的な手術は,性器系手術では停留精巣固定術,尿道下裂修復術,尿路系手術では膀胱尿管逆流防止術,腎盂形成術です。ほぼ全疾患でクリニカルパスを用いています。小児では成人と異なり,高血圧・糖尿病などいわゆる成人病に関する管理は不要なので,周術期管理を必要とすることは少なく,「最善の手術を行うこと」に全力を挙げています。外来は木曜日以外の月~金曜日午前に診察を行っており,特殊外来として月曜日に夜尿症外来,金曜日に二分脊椎外来を行っています。二分脊椎外来では脳神経外科,整形外科とカンファレンスを行い,二分脊椎患児の総合的な管理を行っています。火・木曜日午後は排尿時膀胱尿道造影などのX線検査を行っています。
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