小さな工夫
生体腎移植ドナー腎摘術への新しい創保護開創器の使用
寺西 淳一
1
,
齋藤 和男
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科
pp.768-769
発行日 2006年9月20日
Published Date 2006/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100737
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体腔鏡下手術の進歩により生体腎移植におけるドナー腎摘術も,近年,体腔鏡下に行われるようになりつつある。従来の開放手術に比べて低侵襲であり,美容上の観点からも体腔鏡下ドナー腎摘術の利点は大きいが,すべての移植医がこの手技を習得するにはまだ時間を要すると考えられる。
当科は腎癌に対する腎摘除術などは体腔鏡下で施行しているが,現時点においてドナー腎摘に対しては体腔鏡下手術を施行していない。従来は20cm以上の皮膚切開をおいてドナー腎摘術を施行していたが,2004年3月からより小さな創によるドナー腎摘の試みとして新しい創保護開創器であるアプライドウーンドリトラクター(以下,AWR)を使用したドナー腎摘術を施行している。この術式は開創器としてAWRを用いるだけで,従来のドナー腎摘術と同様の直視下手術でありながら,12cmほどの皮膚切開で施行可能であり,今後,体腔鏡下ドナー腎摘術に移行するまでの過渡的手段として有用であると考えられたため,今回報告する。
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