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特集 泌尿器科臨床の難問を解く―EBMを考慮した解説
慢性膀胱炎の薬物療法
Pharmaceutical treatment for chronic bladder inflammation
上田 朋宏
1
Tomohiro Ueda
1
1京都市立病院泌尿器科
キーワード:
慢性膀胱炎
,
治療
Keyword:
慢性膀胱炎
,
治療
pp.541-546
発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100700
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要旨 3か月以上,増減を繰り返す頻尿や膀胱部不快感や尿意切迫感といった下部尿路症状(lower urinary tract symptom:LUTS)が続く場合慢性膀胱炎と考えられる。最近,慢性膀胱炎と診断されてきた範疇に間質性膀胱炎が多く存在していることがわかってきた。過活動膀胱(overactive bladder:OAB)という尿意切迫感症状を診断基準とする疾患概念が生まれた今日,下部尿路症状を起こす原因疾患で一番多いのが慢性膀胱炎である。その治療は,病態に基づくものでなければならない。具体的には検尿,残尿測定,排尿日誌で病態を評価し細菌性のものは抗菌剤で治療する。ただし,複雑性尿路感染症が多く,原因疾患の治療も同時に進める必要がある。非細菌性の場合T cell cystitisである間質性膀胱炎と過活動膀胱を鑑別し,前者にはIPD(suplatast tosilate),後者には抗コリン剤を投与して治療することが大切である。少なくとも4週ごとの検尿,残尿測定,排尿日誌のチェックを行い患者のQOL(quality of life)の改善を目標とする。
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