異論・反論 泌尿器科術前・術後管理
8.癌手術後のCT検査は必要か
野田 賢治郎
1
,
伊藤 貴章
1
Kenjiro Noda
1
,
Takaaki Ito
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院泌尿器科
pp.330-332
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100325
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1 はじめに
日本はCT大国である。放射線医学総合研究所の2000年の調査で,稼動中のCT装置は11,050台と1989年の前回調査時のほぼ2倍で,検査件数は3,655万件と3倍に増加し,人口1,000人当たり年間290件に当たると報告している。また,国民1人当たりの被曝線量も前回(0.8mSv)の約3倍に当たる2.3mSvで,自然放射線による平均年間被曝量(2.4mSv)に匹敵するとしている。さらに,世界のCT装置の半数が日本にあり,半数近くの検査が行われている可能性があるとし,日本のCTが突出して多いことを指摘している。
癌根治手術後のルーチンに施行するCT(以下,surveillance CT)は,再発・転移の早期発見目的で施行されfollow-up protocolに疾患および病期特異的に組み込まれるべきである。われわれの外来で施行したCTのうち約2割がsurveillance CTで,日本では相当量の検査が費やされていると推測され,被曝および経済的側面よりevidenceに基づいた効率的な検査計画が必要である。
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