異論・反論 泌尿器科術前・術後管理
4.手術後の包交は必要か
野口 良輔
1
Ryousuke Noguchi
1
1水戸済生会総合病院泌尿器科
pp.302-303
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100316
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1 はじめに
筆者は研修医時代に手術翌日の手術創の確認が大切であると教わり,回診では必ず創部を観察し,ポビドンヨードで消毒し,ガーゼを交換していた。実はこれはまったくの誤りで,翌日に包交するほうが感染のチャンスを生み,SSI(surgical site infection:手術部位感染症)に寄与してしまうのである。医学は日々進歩し,その先進的な考え方を取り入れず,慣習を守っていると大きな過ち(SSIとはいえ,対応を誤ると致命傷にもなりうる)を犯す可能性も生じてくる。そこで本稿では,「術後の包交の必要性」をCDC(Centers for Disease Control and Prevention)ガイドライン1)より検討し,さらに手術創の管理について新しいevidenceを紹介し,これらに基づいて施行した自施設の経験を報告する。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.