Japanese
English
症例報告
ステロイド含有テープ剤が奏効した多発性斑状色素沈着症の1例
A case of pigmentatio macularis multiplex successfully treated with corticosteroid-containing adhesive tape
滝脇 弘嗣
1
,
河野 嘉文
2
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Yoshifumi KAWANO
2
1徳島大学医学部皮膚科学教室
2徳島大学医学部小児科
1Department of Dermatology, The University of Tokushima School of Medicine
2Department of Pediatrics, The University of Tokushima School of Medicine
キーワード:
多発性斑状色素沈着症
,
球状赤血球症
,
ステロイドテープ
,
色素脱失
Keyword:
多発性斑状色素沈着症
,
球状赤血球症
,
ステロイドテープ
,
色素脱失
pp.924-927
発行日 2002年10月1日
Published Date 2002/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904108
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ステロイド(フルオシノロンアセトニド)含有テープが奏効した多発性斑状色素沈着症の7歳,男児例を報告する.遺伝性球状赤血球症のため脾臓摘出術を受け,ペニシリン製剤を内服していた患児の躯幹に灰褐色の色素斑が多発した.経過からは固定薬疹とはみなし難く,また,紅斑が先行することもなかった.約半年間改善傾向がなかったため,1日1回のテープ貼付を試みたところ,約2か月で色素斑は略治し,同時に生じた皮膚萎縮は数か月で回復した.無処置の皮疹,ハイドロキノンクリーム塗布を行った皮疹は改善しなかった.本症に著効する治療法は知られておらず,小さなテスト部位を設けて効果を確認した上で用いるなら,ステロイド含有テープは治療の選択肢の一つになりうると思われた.
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