Japanese
English
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多発性斑状色素沈着症の1例
A CASE OF PIGMENTATIO MUCULOSA MULTIPLEX.
園田 節也
1
,
斎藤 常道
1
,
財満 信次
1
Setsuya SONODA
1
,
Tsunemiti SAITO
1
,
Nobutsugu ZAIMA
1
1東京医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical College
pp.551-553
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203796
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I.緒論
皮膚色素異常症中,先天性皮膚色素増殖症を除いて,皮膚色素の増殖を来たす場合は大体次の様に分けられる。即ち外界よりの物理的,化学的刺激によるもの,他の皮膚疾患より二次的に起るもの,内臓疾患特に内分泌機能障害により起るもの,全く原因不明のもの等である。さて原因全く不明にして後天的に多くは思春期以後主として躯幹部に多発性に斑状色素沈着を来たす疾患についての報告は野口1)がChloasma idiopathicumdisseminatum lenticulare,田代2)が一種特異の皮膚色素増生症,亘3),矢野4)が一種特異の色素沈着症,山本5)が一色素異常症,高橋6)が相対性躯幹色素増殖症,宮沢7)が一種の進行性点状色素斑,藤浪8)が特有なる皮膚色素沈着症,青島9)が原因不明の色素沈着症,国見10)が特発性色素異常症,更に多発性斑状色素沈着症としては竹之内11)森山12),速水13),渡辺14),中村15)等の報告があり,又大泉16)は顔面に肝斑を合併せる症例を報告している。以上の様に種々の名称にて報告されている此等疾患はいずれも主として躯幹部に見られる小豆大前後の自覚症のない淡褐色,褐色の色素斑である事より同一の疾患であると考えられる。本症は本邦でも46例の報告を見るに過ぎず又外国での報告例は殆んど見られない特異な皮膚色素沈着症である。最近当教室に於て本症に該当すると考えられる症例を経験したのでここに報告する。
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