Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2002
2.皮膚疾患の病態
メラノサイトの発生と再生
Development and regeneration of the melanocyte lineage
西村 栄美
1
Emi NISHIMURA
1
1京都大学大学院医学研究科内科系専攻臨床器官病態学・皮膚病態学
1Department of Dermatology, Course of Internal Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
キーワード:
メラノサイト
,
発生
,
白斑
,
カドヘリン
,
幹細胞
Keyword:
メラノサイト
,
発生
,
白斑
,
カドヘリン
,
幹細胞
pp.62-67
発行日 2002年4月10日
Published Date 2002/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903929
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
メラノサイトの発生にかかわる分子の相互関係が最近明らかになり,MITF(microphthalmia-as—sociated transcription factor)転写因子を中心にメラノサイト系譜の発生メカニズムが統合的に理解されつつある.発生中のメラノブラストは遊走により皮膚に分布するようになる.この過程においてメラノブラストのカドヘリンの発現が微小環境に応じて量的質的に制御されており,周囲の細胞との選択的接着を介し遊走にかかわることを示した.最終的に局在部位ごとに異なるカドヘリンの発現パターンを示し4つの集団に多様化した.4つめの集団としてメラノサイトの幹細胞をマウス毛包のバルジ領域近傍に同定し,毛周期と同調して毛母と表皮に分化したメラノサイトを供給(再生)できることを明らかにした.さらに,バルジ領域が幹細胞progenyの細胞運命を優勢に決定していることを明らかにした.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.